スピーカー騒音問題の4段階

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これまでにさまざまなスピーカー騒音問題に関わったり観察してきた結果、どの問題も4段階の典型的な過程を辿っているのではないかと考えました。私自身が元騒音被害者で、抗議者の側に回りがちな人間であり、とても中立な立場からのアイデアとは言えませんが、「スピーカー騒音問題の4段階」として提唱したいと思います。

なお、各フェーズで挙げている例は主観によるものであり、また、それぞれの段階にぴったり収まるものではありません。もし時間が確保できれば解りやすく図にする予定です。

[ここに図が入る予定]

フェーズ1:発生期

少数の人々により、スピーカーの使用判断が下されます。音源が制作され、製品に搭載されたり、屋内外で再生されます。商業上の動機や、安全確保、善意、技術的な進歩(スピーカーという「新しい機械」についてを参照)などがきっかけになります。

例:防災無線放送(フェーズ3から戻る)、ハイブリッドカーの擬似エンジン音など

フェーズ2:成長期

スピーカー使用者やその同調者によって音声の活用が進み、恩恵を受ける人や音声を楽しむ人が増加します。一方で、騒音と感じている人も声を上げはじめますが、多くの場合、一部の神経質な人がいるにすぎないと見なされ無視されます。

例:店舗宣伝スピーカー、駅メロ、「左へ曲がります、ご注意ください」、バリアフリー音声、街頭ビジョンなど

フェーズ3:対立期

スピーカー音声の増加や、長期の騒音被害の蓄積によって、苦痛を訴える人や、違和感を表明する人が増えていきます。ここに至って、スピーカー使用者や音声を支持していた人々が抗議者の存在を認知し、反発します。ときには深刻な対立が起きます。

例:移動販売車、灯油の巡回販売、選挙カーなど

フェーズ4:調和期

スピーカー音声が騒音被害を引き起こしていることがコンセンサスとして受け入れられるようになり、使用を控えたり、バランスの取れた使い方が模索されるようになります。社会的なルールによって排除されることもあります。

例:携帯の着メロ、廃品回収車など

フェーズ1から4までのタイムスパンは長く、通常数年から数十年以上かかるものと考えられます。一般に、音源の普及がゆるやかなこと、騒音被害に遭った人が長期間我慢しがちなこと、スピーカー使用者の多くは反対意見を予期していないこと、問題が顕在化したときには音声を容易には停止・抑制できなくなっていることが理由です。また、選挙カーや防災無線など、スピーカー使用者の社会的な立場が強いほどフェーズ進行が遅くなります。

通常、この4段階は順番に進行しますが、逆行することもあります。防災無線などは、フェーズ3から4に移行しかかっていたときに、いわゆる「安全・安心」でフェーズ1まで引き戻されてしまった事例ではないかと思います。

フェーズ1の人々がスピーカーの使用を思い立った時点で騒音問題についてよく考え、慎重にことを進めてくれればいいのですが、多くの場合、まったく意識していないか、意識しているつもりでもどうしても認識が甘くなりがちのようです。せめて、フェーズ2で反対意見を敏感に汲み取って、フェーズ4に速やかに移行できればと思うのですが、この段階ではすでに商業的な利益や意図が絡んで抑制が効かなくなっていることが多い印象です。結局、時間をかけてフェーズ4まで進行するのを待つしかないのかもしれません。あるいは、初期鎮火というと言い方が悪いですが、フェーズ1の時点で強硬にノーを伝える、または周囲の人間が制止することでしょうか。

以上、この4段階モデルがどこまで妥当かは分かりませんが、あるいはスピーカー騒音問題を俯瞰するための一つの道具として役に立つのではないかと思います。